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ダイヤモンドの中心は、君

ベーコンはカリカリに限るよな

窓の外から突然こどもの声で「カリカリベーコン!!!!!!!!」と叫ぶ音が聞こえた。部屋で完全にざわ……ざわ……となり耳を澄ますと、そのあともずっと「カリカリ♪カリカリベーコン♪」とまるで「かくれんぼする人このゆびとーまれ」くらいの軽やかさで歌っているので「(こどもたちの間でカリカリベーコンなる遊びがグリコ的に流行っているのか…?)」と思わず「カリカリベーコン 遊び」で検索した。もちろんそんな遊びは存在していなかった。なんだったんだ。ちょうど昨日ベーコンをカリカリに焼いたからカクテルパーティー効果だったんだろうか。いや単純に声がでかかっただけだな……。

昨日の夜は黙々と豚ロースを焼いて淡々とトマトソースを作って粛々ときゅうりをスライスして厳かにいんげんを茹でた。ベーコンにしろロースにしろ、豚肉は表面をカリカリに焼くとおいしい。

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ワイングラスを頻繁に割ってしまう。ちょうどボルドーグラスも欲しかったし次の出社日は帰りに無印寄ろうかな。酔ったまま食器洗うのってほんとはあんまりよくないのかしら。

両親が離婚したあと30年会っていない(これはもう「会ったことがない」に等しい)父親がFacebookでわたしを見つけて連絡してきた話って書いたことあったっけ?あったな。その父親と会う予定だったのだけどやっぱりどうしても東京のこの状況だと会えなくて、どうしようもなくて、でも誕生日のプレゼントは買ってあるから贈らせてほしいと言われていた。住所を教えて、今日とどいた箱に入っていたのは、カルティエの時計だった。

わたしはほんとうに腕時計にこだわりがなく、高くても4,000円くらいの時計をずっと使っていたので、思いがけず社会人のステータスである「ハイブランドの腕時計」を手にして、重さにびっくりした。付け方もわからなくてネットで調べた。サイズは店に持っていけば調整してくれるよと父に言われたけれど、腕にはめてみるとぴったりだった。

わたしはこの時計に合う服を持たないし、今の状況だとこの時計を付けて行くような場所が思い浮かばない。それでも、金属のひやりとした冷たさと重みに、贈り手の気持ちを感じてすこし怖くなった。わたしのようなものでも、誰かに想われて生きているのだな……。

すこし自信をなくすできごとがあり、落ち込んでいるので、今日が晴れでよかった。